平日は会社で働きながら、親の相続手続きを進めるのは本当に大変ですよね。
銀行の預金解約、不動産の名義変更、税務署への申告……。実はこれらの手続きには、すべて「亡くなった方の出生から死亡までの分厚い戸籍の束」を提出する必要があります。
しかし、手続きのたびに戸籍の束を提出して返却を待つのは非常に非効率です。
そんな相続手続きの負担を劇的に軽くしてくれる魔法のような書類が「法定相続情報一覧図」です。この記事では、税金や法律に詳しくない方に向けて、法定相続情報一覧図の圧倒的なメリットと、自分で取得するための「3つの手順」を分かりやすく解説します。
法定相続情報一覧図とは?(これ1枚で手続きが劇的にラクに!)
法定相続情報一覧図とは、ひとことで言うと「亡くなった方と相続人の関係を、1枚の家系図にまとめた公的な証明書」です。
法務局の登記官が内容を確認し、無料で発行してくれます。
この一覧図があれば、分厚い戸籍の束の代わりとして各金融機関や不動産の名義変更など相続の手続きに利用することができます。
メリット:複数の手続きを「同時並行」で進められる!
法定相続情報一覧図には実質的なデメリットはありません。
絶対に作成したほうが良い最大の理由は、無料で何枚でも発行してもらえることです。
- A銀行の口座解約
- B銀行の口座解約
- 法務局での不動産名義変更
通常であれば、戸籍の原本の束が1セットしかない場合、A銀行が終わってからB銀行へ……と順番に進めるしかありません。しかし、一覧図を3枚取得しておけば、すべての手続きを同時に進めることが可能になり、貴重な時間を大幅に節約できます。
【3ステップで完了】法定相続情報一覧図を取得する手順
それでは、実際に一覧図を取得するための手順を3つのステップで解説します。
STEP① 必要書類を集める(ここが一番の踏ん張りどころ!)
まずはベースとなる証明書類を集めます。ここが一番手間のかかる作業ですが、最初の一度だけなので頑張りましょう!
| 必要書類 | 取得する場所・ポイント |
| 1. 亡くなった方の戸籍謄本 | 出生から亡くなるまでの連続したすべての戸籍(除籍)謄本。 |
| 2. 亡くなった方の住民票の除票 | 亡くなった方の最後の住所を証明するもの。 |
| 3. 相続人全員の戸籍謄本・住民票 | 亡くなられた日「以降」に取得した新しいもの。 |
| 4. 申出人(代表者)の本人確認書類 | 手続きを代表する方の「運転免許証」や「マイナンバーカード(表面のみ)」のコピー。 |
【重要】本人確認書類(コピー)の書き方
免許証の両面、またはマイナンバーカードの表面(顔写真と住所がある面のみ。※裏面のマイナンバーはコピー不要)をコピーした余白に、手書きで「上記原本と相違なし」と記載し、ご自身の署名(氏名を自署)をする必要があります。

【朗報】戸籍集めは「広域交付制度」でラクになりました!
一番大変な「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍集め」ですが、令和6年3月1日より「広域交付制度」が始まりました。これにより、本籍地が遠方にあっても、最寄りの役所で一括して集められるようになっています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
STEP② 一覧図(家系図)を自分で作成する
書類が集まったら、いよいよ「法定相続情報一覧図」を作ります。
ここでよくある勘違いですが、法務局の窓口に行けば担当者が家系図を書いてくれるわけではありません。一覧図は、ご自身で作成して持ち込む必要があります。
「えっ、自分で作るの?」と不安に思うかもしれませんが、安心してください。法務局のホームページに、そのまま使えるExcel(エクセル)のひな形が用意されています。
家族構成(配偶者と子供2人、など)に合わせたフォーマットをダウンロードし、集めた戸籍を見ながら氏名や生年月日を入力して印刷すればOKです。
STEP③ 申出書を記入し、法務局へ提出する
一覧図の印刷ができたら、法務局のホームページから「申出書」をダウンロードして必要事項を記入します。
最後に、STEP①で集めた書類一式、STEP②で作った一覧図、そして申出書をまとめて、管轄の法務局(登記所)へ提出します。
具体的には次の要件に該当する法務局であればどこでも申請可能です。
(1) 被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
(2) 被相続人の最後の住所地
(3) 申出人の住所地
(4) 被相続人名義の不動産の所在地
- 窓口へ持ち込む場合:書類に不備がないか不安な方は、直接窓口へ持参すればその場で確認してもらえます。(※事前に相談予約をしておくのがおすすめです)
- 郵送で提出する場合:平日に法務局へ行く時間がない方は、返信用封筒(切手貼付)を同封すれば郵送での手続き・受け取りも可能です。
法務局も登記が義務化されて混雑しております。
申請する法務局によってことなりますが2~4週間ほどで、法務局の認証印が押された「法定相続情報一覧図」が完成します!
忙しい会社員は専門家への依頼も検討しよう
ここまでの手順を見て、「平日に役所に行ったり、Excelで図を作ったりする時間がどうしても取れない」という方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合は、専門家(税理士・司法書士・行政書士・弁護士など)に依頼することも可能です。
戸籍の収集から一覧図の作成、法務局への提出まですべてを丸投げできるため、仕事への影響を最小限に抑えたい方には非常におすすめの選択肢です。
まとめ
相続が発生したら、優先して「法定相続情報一覧図」を取得しましょう。

弊所では、戸籍一式を収集していただければ法定相続情報一覧図の申請は別途手数料なしで対応をさせていただいております。
法定相続情報一覧図は取得しておけば手続きが楽に進むのは間違いありません。申請する際は少し多めにもらっておくと不測の事態にも安心できます。(取得後に再度申請すれば追加分も無料となります。)
最初は戸籍集めや書類作成に少し手間がかかりますが、「広域交付制度」によってその手間もだいぶ軽減されました。
相続が発生した方は是非、参考にしていただければと思います。
【出典・一次情報(参考)】








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