相続後の確定申告は必要?原則不要な理由と注意すべき4つのケース

無事に相続手続きや相続税の申告が終わり、ほっと一息ついた頃にふと頭をよぎるのが「自分自身の確定申告(所得税)は必要なのだろうか?」という疑問ではないでしょうか。

普段、年末調整だけで手続きが終わる会社員の方にとって、確定申告は馴染みがなく不安になる部分だと思います。

結論から言うと、財産を相続しただけなら原則として確定申告は不要です。
ただし、相続した不動産や株式を売却した場合や、特定の方法で保険金を受け取った場合などは確定申告が必要になります。

この記事では、「なぜ相続しただけなら不要なのか」という基本ルールと、例外的に確定申告が必要になる4つのケースを分かりやすく解説します。

目次

相続後に確定申告は必要?(結論:原則として「不要」です)

親や親族から不動産・預貯金・株式などの財産を引き継いだからといって、それだけで個人の所得税の確定申告をする必要はありません。

相続した財産に「所得税」はかからない

財産を引き継ぐ際にかかる税金は「相続税」です。すでに相続税を納めた方はもちろん、遺産総額が基礎控除額以下で相続税がかからなかった方であっても、引き継いだ財産そのものに個人の所得税がかかることはありません。

「財産をもらった=個人の収入(所得)」とはみなされないため、普段通り会社での年末調整だけで手続きは完了します。

相続税と所得税は別の税金です。「相続によって財産を得たこと」には相続税のルールが適用されるため、個人の1年間の収入(儲け)に対してかかる「所得税(確定申告)」の対象にはなりません。

【注意】相続後に確定申告が必要になる4つのケース

基本的には不要な確定申告ですが、相続した財産を「売却したとき」や「定期的な収入として受け取るとき」は話が別です。

以下の4つのケースに該当する場合は、確定申告が必要(または申告した方がお得)になりますので注意してください。

1. 相続した「不動産(土地・建物)」を売却したとき

相続した実家や土地を売却して利益(譲渡益)が出た場合、その利益は相続人個人の収入となります。この利益に対して所得税と住民税がかかるため、売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告が必要です。

※なお、売却時に税金を大幅に安くできる「特別控除(3,000万円控除など)」や「取得費加算の特例」を使う場合も、特例を適用するために確定申告が必須となります。

2. 相続した「株式や投資信託」を売却したとき

相続した株式や投資信託を売却して利益が出た場合も確定申告が必要です。

  • 一般口座で売却した場合:必ず確定申告が必要
  • 特定口座(源泉徴収あり)に移管して売却した場合:自動で税金が引かれるため確定申告は原則不要

また、売却して「損(赤字)」が出た場合でも、確定申告をすることで他の配当金と相殺(損益通算)でき、払う税金を減らせるメリットがあります。

3. 「金(ゴールド)や記念硬貨」を売却して利益が出たとき

実家の片付けなどで出てきた金地金(ゴールドバー)や金貨、価値のある記念硬貨などを相続し、買取業者に売却した場合も注意が必要です。

金やコレクターアイテムの売却益は「譲渡所得(総合課税)」扱いとなります。年間での売却益(売却額から取得費を引いた額)が50万円を超える場合は、確定申告をして税金を納める必要があります。

4. 「年金形式の保険金」や「未支給年金」を受け取ったとき

亡くなった方が契約していた生命保険を「一時金」ではなく「毎年○万円」というように年金形式で受け取る場合、受け取った年金は個人の「雑所得」となり、毎年確定申告が必要になるケースがあります。

また、亡くなった親が受け取るはずだった「未支給年金」を遺族が請求して受け取った場合、これは遺族自身の「一時所得」となります。他の一次所得(生命保険の満期金など)と合わせて年間50万円を超える場合は確定申告が必要です。

確定申告が必要か迷ったらセルフチェック!

ご自身の状況に合わせて、以下の表で確定申告が必要か確認してみましょう。

相続後の状況確定申告の要・不要備考
財産を引き継いでそのまま所有している不要相続税の手続きのみでOK
不動産や株式を売って利益が出た必要翌年2/16〜3/15に申告
不動産を売って「特例」を使いたい必要税金が0円になる場合も申告必須
金や記念硬貨を売って50万円超の利益が出た必要譲渡所得として申告
保険金を「年金形式」で受け取っている必要雑所得として申告

まとめ

相続が発生した後の確定申告について、大切なポイントを整理しましょう。

  • 親の財産を引き継いだだけなら、個人の確定申告は不要(原則)
  • 相続した不動産・株式・金を売却して利益が出た場合は確定申告が必要
  • 保険金を年金形式で受け取る場合など、毎年の申告が必要になるケースもある
  • 節税できる「特例」を使うためにも確定申告が必要になる

相続した財産(物)を売却してお金に換えた場合は確定申告の可能性がでてきます。
「自分のケースは売却益が出ているのかな?」「使える特例はあるのかな?」と判断に迷う場合は、申告漏れによるペナルティを防ぐためにも、早めに税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

【出典・一次情報(参考)】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次